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関西のコロナウイルス感染者の状況 [4/9日更新]

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第1版 3/25日 第2版 3/30日 第3版 4/2日 第4版 4/9日  現在、コロナウイルス(COVID-19)患者数の増加率は比較的マイルドですが、急激な増加が始まるのではないかと目されています。もしかすると、東京、大阪あたりの都市でも外出禁止令が出るかもしれません。 世界全体の患者数推移については、Johns Hopkins 大が 非常に見やすいコロナウィルス感染者マップ を、騒動の初期から立ち上げてくれていました。3/25日付けで、世界42万人が感染し、18000人以上がなくなっているようです。 日本版が見たいところですが、ジャックジャパンという会社が、親切にも 日本版のコロナマップ を作成しています。 日本全土でも、患者数はじわじわと増加中です。(下図左下、日次累計) スクリーンショット. 左上のCSVと書いたエクセルファイルマークのボタンから、データをダウンロードできる 私は関西圏在住ですが、関西の推移も気になります。しかし、各エリアの経時変化については提供されていません。しかし、データはこちらのページからダウンロードすることができます。 データ解析に慣れよう、ということで、ホットなコロナウイルスの感染者数についての情報をプロットしてみました(Figure 1)。 ( ダウンロードしたcsvデータを、shell で下ごしらえする方法 について書きました。[4/03日追記]) Figure 1. 京阪神エリアのコロナウイルス新規感染者数のプロット。大阪、京都、奈良、兵庫の居住者およびその2府2県で診断された人数の合算値。 [4/2日現在] 例えば、東京で感染が発覚しても、大阪に住んでいる人なら大阪で感染しているだろう、というカウントです。逆に、東京の人が大阪で診断されていても、大阪で何人かとは接触しているだろうとも考えられます。 3/10頃のピーク過ぎて、一段落しています。このまま、マイルドに推移するとよいのですが。 [3/25日現在] 大阪中心に、再び、感染者数増加の兆候がでてきているようです。海外旅行に行った人が帰ってきていたらそうなりますよね。 [4/2日現在] 続いて、気になる日本全国の死者数の推移も出ていなかったので、こちらも日付に対してプロットしてみました(Figur

分子軌道の表示 [isovalueってなに?]

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分子の軌道は、計算によって得られる重要な情報の一つです。細かな話ですが、 その記述の際のポイントに付いてです。 トップの画像の左右は、同じ錯体分子([Fe(O)(NH3)5]2+, 水素は表示していません)の軌道の一つです。違うのは、黄色い点線で示した「isovalue」という数値の大きさです。 ご存知のように、電子は原子核の近くにより大きな存在確率を持っており、原子核から離れるほどその存在確率は小さくなります。一つの分子軌道にはアップスピン、ダウンスピンの電子が1つづつ入りますが、その存在確率は、無限遠まで足し合わせることで2になります。 軌道を描画する際には、無限遠まで表示してもなんのこっちゃわかりませんので、適当なところで区切る必要があります。その設定が「 isovalue」の値となります。 単位は、1(e-)/ 1Å^3 となります。これは、 1Å角の立方体に、1電子入っているときの値を1とする単位系です。 (文献を読む場合には、体積の単位系に、Å の代わりに原子単位系のBorh [≒0.53 Å] を利用しているケースもあるようなので、注意してください。) 上の例では、左は0.02  (e-)/ Å^3 の密度になるところまで表記しています。 表面の内側の電子密度は  0.02  (e-)/ Å^3 より大きくなっています。 右の例では 0.1  (e-)/ Å^3 の密度になるところまで軌道を表示しています。どちらも、もちろん間違いではありませんが、電子密度のより高いところだけを表記したほうが、その軌道に「主に」寄与する軌道がハッキリする点でおすすめです(何をディスカッションしたいかによりますね)。 上の例は、鉄のオキシド錯体のHOMOを表示しています。配位子場理論では 、金属錯体のHOMO近傍の軌道は中心金属のd軌道と、配位子の軌道の反結合性軌道で近似されますが、右の例ではその様子が見られます。一方、左の例では、一つの軌道に様々な原子軌道の寄与が実際にはあることがわかります。