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Intermediate or Transition State

そこで経由しているのは「中間体」か「遷移状態」か。 非常に悩ましい問題である。キャッチできればもちろん、中間体と呼んで差し支えないが、そんな安定なものばかりではない。 そもそもその違いとはなんなのか、明快な定義を与えている本に出会った。 それによれば、中間体と呼ぶからには少なくとも1振動以上の寿命をもつ必要がある。 例えばN–H 振動の赤外スペクトルの波数 v は、 3600 cm-1 (360000 m-1) 程度。 つまり、そのタイムスケールで振動する電磁波と同じタイムスケールの振動をしている。 光速  c : 3.0*10^8 (m/s)  として1振動にかかる時間を概算してみる。 c * v で、一秒間に何回振動するかが求まる。一回振動するのに必要な時間はその逆数なので、 (cν)^-1 = [ (3.0*10^8 [m s-1])*(3.6*10^5 [m-1]) ] -1  ~ 10^-14 [s] となるため、 10 fs ( フェムト秒 )程度以上 の寿命があれば、中間体と呼んでもよいことになる。 ( 「最も単純な有機化学」奥山格 著 丸善株式会社 )

セルフブランディング

 ちきりん日記の作り方と言う本を読み中。人気ブロガーがどうやってセルフブランディングをしてきたかを振り返った物だ。その中に、みんなが話題にしているからその話題に参加するというのは主体性のない行為で、みんながミニスカートをはくから私もはく、みたいな行為だという記述があった。(流行ってるものを消費するのは、それはそれでたのしいことだとおもうのだけれど)  この考え方は研究者にとっても大事とされている概念だと思う。盛り上がっている界隈は、何が問題か、面白いかが「顕在化」しているので、わかりやすい。大きなお金も動いている。  こういう分野に突っ込むと(僕も片足を突っ込もうとしているから感じる事なのだけど)、オリジナリティを表現する事が非常に難しい。研究者として、どうやって自分をブランディングしていくか、よく考えないといけませんね。いろんな人(化学者以外で第一線で活躍する人)がどんな事を考えているか知る事、そしてそれについて自分でも良く考える事、は大事ですね。