投稿

1月, 2018の投稿を表示しています

shelxでの解析に用いるinsファイルの作成

RAPID-AUTOを更新したら、大部分自動化できるみたいです。 (18/05/30  記事作成 ) 先日、古い解析プログラムから新しいプログラムに乗り換えたということを書きましたが、その過程で必要になった、shelx以外で解析したファイルから、再びshelxで精密化し直す際に必要になった情報を、メモしておきます。 shelxは、XXX.insという、入力ファイルとXXX.hklという、反射点のデータを基に、精密化を進めていきます。 Rigakuの機器であれば、反射測定の後、解析すると生成する各種ファイルの中に、shelx.hklというファイルが生成しているはずです。 insの方は、SIRで初期構造を求めるとsir.insのような形で出てくるようです。 自分で作成することもできるみたいです。 insファイルは、A. 結晶の情報(格子定数など)について記述するセクション、B. 精密化の上での条件を記述するセクションと、C. 原子の番号、種類、座標などの書いてあるセクションからなりますが、はじめに最適化を進める上で必要なのは、Aセクションのみのようです。 こちらのページを参考にしました → http://chemistry.bd.psu.edu/jircitano/13shelx.pdf 具体的には以下の通りです。 ___(例始まり)___ TITL Au(DPK)Cl2 Cl in P2(1)/n CELL 0.71073 9.200 12.228 12.585 90.00 95.58 90.00 ZERR 4.00 0.002 0.002 0.003 0.00 0.02 0.00 LATT 1 SYMM .5-X, .5+Y, .5-Z SFAC C H N O CL AU UNIT 44 40 8 8 12 4 HKLF 4 ___(例終わり)___ それぞれの行についての解説です。 TITL :タイトルです。化合物名の後ろに、空間群を記述する。空間群は後から変えられる。 CELL :X線の波長の情報の後に、格子の情報を入れる。(Å単位、° 単位) ZERR :格子の中に、何単位はいっているか(Z)の後に、格子定数の誤差の値を入れます。 LATT :格子のタイプを数字で入力。規則は以下の通り 1=P,

Olex2へのshelxのインストール

我々の研究室では単結晶X線構造解析を、リガクのCrystalstructureでやっていましたが、Olex2( 配布元 )という結晶構造解析ソフトの評判がよく、Crystalstructureがwindows10のアップデートで動かなくなってしまったことを契機に乗り換えることとしました。 初期構造を求めたり、構造のリファインメントを行うためのプログラムははじめから入っているのですが、そこはやはりShelxを使いたい、ということなんですが、環境変数を変えたりする必要があったので、調べたことを備忘録しておきたいと思います(参考:http://xray.chem.wisc.edu/Resources/Manuals/Ilia_Guzei_notes_on_OLEX2.pdf) 1. shelxのファイルをダウンロード(http://shelx.uni-goettingen.de/download.php) このページの"download"から、shelxTやshelxS、shelxLはゲットできるのですが、その前にユーザー登録が必要です。(このあたりのことは、調べると色んな所に出ているので割愛。とはいえ、http://shelx.uni-goettingen.de/register.phpにアクセスし、名前とか入力するだけですが。ここで聞かれるXtal questionは、業界内の人同士であれば盛り上がれるネタですね。 ) 2. ダウンロードしたshelxTなどのファイルを"SAXI"というファイルの中にいれ、Cドライブ直下に置く。パスが右のようになっていればオッケー  C:\SAXI\ たぶん、フォルダ名はSAXIでなくとも良いと思います。 3. 環境変数をいじって、Olexがshelxのプログラムにアクセスできるようにする。 [shelxが、hklデータから結晶構造を求めてゆくプログラムなのに対して、Olexはグラフィカルユーザーインターフェイス(GUI)です。入力ファイルをテキストエディタで作ってから、コマンドプロンプト(win)やターミナル(mac)からshelxに放り込んで、構造解析をさせることも出来ますが、現代っ子にはちょっときつい。そこで、直感的にマウス操作で入力ファイルを作れるようにしているのが