shelxでの解析に用いるinsファイルの作成

RAPID-AUTOを更新したら、大部分自動化できるみたいです。
(18/05/30 記事作成

先日、古い解析プログラムから新しいプログラムに乗り換えたということを書きましたが、その過程で必要になった、shelx以外で解析したファイルから、再びshelxで精密化し直す際に必要になった情報を、メモしておきます。

shelxは、XXX.insという、入力ファイルとXXX.hklという、反射点のデータを基に、精密化を進めていきます。
Rigakuの機器であれば、反射測定の後、解析すると生成する各種ファイルの中に、shelx.hklというファイルが生成しているはずです。
insの方は、SIRで初期構造を求めるとsir.insのような形で出てくるようです。
自分で作成することもできるみたいです。
insファイルは、A. 結晶の情報(格子定数など)について記述するセクション、B. 精密化の上での条件を記述するセクションと、C. 原子の番号、種類、座標などの書いてあるセクションからなりますが、はじめに最適化を進める上で必要なのは、Aセクションのみのようです。
こちらのページを参考にしました → http://chemistry.bd.psu.edu/jircitano/13shelx.pdf
具体的には以下の通りです。


___(例始まり)___
TITL Au(DPK)Cl2 Cl in P2(1)/n
CELL 0.71073 9.200 12.228 12.585 90.00 95.58 90.00
ZERR 4.00 0.002 0.002 0.003 0.00 0.02 0.00
LATT 1
SYMM .5-X, .5+Y, .5-Z
SFAC C H N O CL AU
UNIT 44 40 8 8 12 4

HKLF 4

___(例終わり)___

それぞれの行についての解説です。
TITL :タイトルです。化合物名の後ろに、空間群を記述する。空間群は後から変えられる。
CELL :X線の波長の情報の後に、格子の情報を入れる。(Å単位、° 単位)
ZERR :格子の中に、何単位はいっているか(Z)の後に、格子定数の誤差の値を入れます。
LATT :格子のタイプを数字で入力。規則は以下の通り
1=P, 2=I, 3=R, 4=F, 5=A, 6=B, 7=C  もしセントロシンメトリックでなければ、数字の前にマイナスをつける。
SYMM :対照操作。小数標記でも分数標記でも良い。
SFAC :元素の記号を大文字で記入。CとHから入れる。
UNIT :それぞれの元素が何個づつ入っているかを記入。上と順を合わせる。

HKLF 4 :終わりの行を指定。

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