SDDを使った重原子を含む分子の計算
重原子が含まれていると、計算が重たくなるため、重原子の内殻を固定してしまう近似法がよくつかわれることについては、先日も紹介しました。
[Lanl2DZの使い方] ←こちらのほうが、重原子の近似計算について、やや丁寧に記述しています。
このLanl2DZについての記事が、よく読まれているようなので、SDDを使った計算についても、方法を丁寧に紹介しておきたいと思います。
SDDのほうが、ややモダンな方法と言えるでしょうか。SDDで使われる基底関数(トリプルゼータレベル)は、Lanl2DZで使われるもの(ダブルゼータレベル)より高級です。
先行研究などがあり、それと比較したければそちらに合わせるようにしましょう。
(方法は、ほとんど一緒なんですが、初めてやるときはよくわかりませんよね。)
分子内のすべての原子をSDDで計算する場合は、「UB3LYP/SDD」のように、汎関数/基底関数の指定をしてやればOKです。
でも、実際の論文を読むと、みなさん中心金属だけSDDで、あとの有機物部分は他の基底関数を使っている場合が多いですよね。
では、どうやるの?ということで、例として、Fe(IV)(O)(NH3)5 について、汎関数をb3lyp、基底関数については鉄をSDDで、残りの部分を6-31g+(d)で計算してみます。
タイトル行(青字)で、汎関数(ここではub3lyp)の後ろに「/genecp」と入っています。普段は基底関数(6-31gとか)の指定が来ますが、基底関数をいじりますよ〜(gen)と、擬ポテンシャルを置きますよ〜(ecp)という宣言が入ります。
その後、赤字で鉄の基底関数がSDDで使われる標準的なもので、N,O,Hには、6-31g+(d)をつかってくれ、という指定をしています。
一行開けて、オレンジの部分は、鉄に擬ポテンシャル、SDDをおいてくれ、という司令になっています。
無事に計算が収束するといいですね!
_____________
%chk=ironoxoSDD.chk
# opt=tight ub3lyp/genecp geom=connectivity int=fine
Title Card Required
2 3
Fe -0.00737500 -0.00498800 0.12056700
N -1.46494000 1.43040500 0.15403600
H -2.36827700 1.17939400 -0.25826700
H -1.66031100 1.62680100 1.14141000
N -1.41864100 -1.48685400 0.05738200
H -1.36609100 -2.16789100 -0.70622600
H -1.32870300 -2.02430800 0.92563700
N -0.03156200 0.10320500 -2.05207200
H 0.20984800 1.02500400 -2.42840400
H 0.61223500 -0.53789500 -2.52554300
N 1.45541000 -1.43680900 0.04020100
H 2.34340000 -1.16442500 -0.39178700
H 1.68671500 -1.67681500 1.00978200
N 1.44728900 1.43443400 0.17851100
H 1.10608000 2.40001500 0.19881200
H 1.94219100 1.32500600 1.06952400
O -0.00923200 -0.06998500 1.72536900
H 2.16727000 1.42083900 -0.55031700
H 1.20427200 -2.32421400 -0.40564200
H -2.39123600 -1.16580100 0.06248200
H -0.94433700 -0.10377100 -2.46883400
H -1.23288700 2.33491000 -0.26687500
1 17 1.0
2 3 1.0 4 1.0 22 1.0
3
4
5 6 1.0 7 1.0 20 1.0
6
7
8 9 1.0 10 1.0 21 1.0
9
10
11 12 1.0 13 1.0 19 1.0
12
13
14 15 1.0 16 1.0 18 1.0
15
16
17
18
19
20
21
22
(一行あける)
Fe 0
SDD
****
N O H 0
6-31g+(d)
****
(一行あける)
Fe 0
SDD
(一行あける)
(一行あける)終了
_____________
[Lanl2DZの使い方] ←こちらのほうが、重原子の近似計算について、やや丁寧に記述しています。
このLanl2DZについての記事が、よく読まれているようなので、SDDを使った計算についても、方法を丁寧に紹介しておきたいと思います。
SDDのほうが、ややモダンな方法と言えるでしょうか。SDDで使われる基底関数(トリプルゼータレベル)は、Lanl2DZで使われるもの(ダブルゼータレベル)より高級です。
先行研究などがあり、それと比較したければそちらに合わせるようにしましょう。
(方法は、ほとんど一緒なんですが、初めてやるときはよくわかりませんよね。)
分子内のすべての原子をSDDで計算する場合は、「UB3LYP/SDD」のように、汎関数/基底関数の指定をしてやればOKです。
でも、実際の論文を読むと、みなさん中心金属だけSDDで、あとの有機物部分は他の基底関数を使っている場合が多いですよね。
では、どうやるの?ということで、例として、Fe(IV)(O)(NH3)5 について、汎関数をb3lyp、基底関数については鉄をSDDで、残りの部分を6-31g+(d)で計算してみます。
タイトル行(青字)で、汎関数(ここではub3lyp)の後ろに「/genecp」と入っています。普段は基底関数(6-31gとか)の指定が来ますが、基底関数をいじりますよ〜(gen)と、擬ポテンシャルを置きますよ〜(ecp)という宣言が入ります。
その後、赤字で鉄の基底関数がSDDで使われる標準的なもので、N,O,Hには、6-31g+(d)をつかってくれ、という指定をしています。
一行開けて、オレンジの部分は、鉄に擬ポテンシャル、SDDをおいてくれ、という司令になっています。
無事に計算が収束するといいですね!
_____________
%chk=ironoxoSDD.chk
# opt=tight ub3lyp/genecp geom=connectivity int=fine
Title Card Required
2 3
Fe -0.00737500 -0.00498800 0.12056700
N -1.46494000 1.43040500 0.15403600
H -2.36827700 1.17939400 -0.25826700
H -1.66031100 1.62680100 1.14141000
N -1.41864100 -1.48685400 0.05738200
H -1.36609100 -2.16789100 -0.70622600
H -1.32870300 -2.02430800 0.92563700
N -0.03156200 0.10320500 -2.05207200
H 0.20984800 1.02500400 -2.42840400
H 0.61223500 -0.53789500 -2.52554300
N 1.45541000 -1.43680900 0.04020100
H 2.34340000 -1.16442500 -0.39178700
H 1.68671500 -1.67681500 1.00978200
N 1.44728900 1.43443400 0.17851100
H 1.10608000 2.40001500 0.19881200
H 1.94219100 1.32500600 1.06952400
O -0.00923200 -0.06998500 1.72536900
H 2.16727000 1.42083900 -0.55031700
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H -1.23288700 2.33491000 -0.26687500
1 17 1.0
2 3 1.0 4 1.0 22 1.0
3
4
5 6 1.0 7 1.0 20 1.0
6
7
8 9 1.0 10 1.0 21 1.0
9
10
11 12 1.0 13 1.0 19 1.0
12
13
14 15 1.0 16 1.0 18 1.0
15
16
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18
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20
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(一行あける)
Fe 0
SDD
****
N O H 0
6-31g+(d)
****
(一行あける)
Fe 0
SDD
(一行あける)
(一行あける)終了
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