うまくDFT計算が進行しない[エラーメッセージを見る]

Gaussian での計算が正常に終了しないとき、かならずファイルの後ろの方に、
どうして計算が止まったかが書いてあります。

このキーワードを検索すると、上級者が初級者に教えてくれるサイト、
CCL.Net (古くからある) や、Research Gate (やや新しい) の中で議論しているページに
に繋がることがあり、そこでのやり取りを「ちゃんと読むと」解決することも少なくありません。
でも、まぁ面倒ですよね。(もしかしたら、こちらも役立つかも?)

このページでは、計算のつまづきのうち、解決できたものをポロポロと収録していきたいと思います。しょうもないミスも一応入れていきます。なにかの足しになれば幸いです。


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 IPrune out of range in DecPrn.

 Error termination via Lnk1e in /usr/local/gaussian09d01/g09/l302.exe

input ファイル内のミスを意味するエラーメッセージです。

このときは、同じキーワードが二回書いてありました。


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ラジカル分子で、電子スピンとおのおのの原子の核スピンがどの程度相互作用しているのかについては、Isotropic Fermi Contact、あるいはAnisotropic ~ のところを見れば分かります。この数値はうまく計算できていれば、EPR測定で得られたカップリング定数と、よく一致します。


普通は自動的にアウトプットされるのですが、どうやら100原子を超えると省略されてしまうようです。その場合、ルートセクション(汎関数とか指定する行)に、「Iop(6/82=1)」と打ち込んでやると解決しました。(参考

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 GradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGradGrad

 Berny optimization.
 Bend failed for angle    39 -    40 -    92
 Tors failed for dihedral    34 -    39 -    40 -    92
 Tors failed for dihedral    41 -    39 -    40 -    92
 Tors failed for dihedral    42 -    39 -    40 -    92
 Tors failed for dihedral    39 -    40 -    92 -    88
 FormBX had a problem.

 Error termination via Lnk1e in /usr/local/gaussian09d01/g09/l103.exe

定番のエラーメッセージだそうです。
原子の並びが直線になったとき、、、計算が何故か止まる!(参考
この場合だと、39-40-92 番の原子がなす角度が180°になっていました。
座標を微妙に動かすのが解だそうです。(たとえば92番のX座標を0.01Å動かす。)

[2023/05追記]
gaussianはxyz(カーテシアン)で入力されてもそこからz-matrix座標系を作り直して
計算をしています。そのほうが計算が軽くなるので。
自分でz-matrix座標系としてinputする、というのも解決方法のようです。

gauss view で入力ファイルをセーブする際に、
"write cartesian" と書いてあるところのチェックボックスを外すとz-matrixで座標が記入されます(下図)。
この際に、危ない座標が入っていなければ計算も止まることがないというわけです。
 



結合角が180になってしまうような原子の組が、座標系の指定に使われていないことを
事前にチェックしたければ、gauss view の "atom list editor" 機能で確認 & 修正できます(上図)。
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