Google入力の辞書を複数のMacで共有する
自分の入力辞書を少しずつ鍛えることができれば、作業効率は地味に高まります。
たとえば電子"求引"基なんて、大抵のツールではすぐに出てきません。
例えば何度も入力する自分の住所を辞書に登録するという Tips はおすすめです。
私は Google 日本語入力を使っています。
最近の Mac はかなり賢くなっていて、古いコンピュータの設定の大部分を引き継ぐ事ができるのですが、複数台を同時に運用するとなると工夫が必要です。
Macbook で移動中に作業をすることが多くなり、職場の母艦 Mac との辞書の共有をしたいなと思い、調べた方法を残します。
方法は単純で、以下のとおりです。
1. Google 日本語入力が参照しているフォルダを iCloud に置く
2. もともとフォルダがあった所に移動させたフォルダのシンボリックリンクを置いておく
3. 2台目以降の Mac コンピュータでも同様の設定を行う
このシンボリックリンクはプログラムがファイルを読み込みに行った際に、その場所にファイルが有るかのように振る舞うという特徴があります。
このレシピは Google 日本語入力の辞書共有だけではなく、様々なプログラムを便利にすることに応用できるようです。
またここに記したのは iCloud の利用のためのレシピですが、Dropbox やGoogle Driveでも同じことができます。
以下、作業の詳細および注意点を記します。
1. Google 日本語入力で、日本語モードが選択されていると以下の作業中にゴタゴタするので、一旦英語入力あるいは Mac のデフォルト入力モードとすることをおすすめします。
Google 日本語入力は、Library 下に置かれた「JapaneseInput」という名前のフォルダを読み込んでいます。このフォルダは Finder からも覗くことができます。Finder をアクティブにした状態でメニューバーの「移動」にカーソルを合わせ、option キーを押すとライブラリが現れます。その中にある「Application Support」というフォルダの下にあります。
ファイルのパスは以下の通り。
/Users/ABCABC/Library/Application Support/Google/JapaneseInput
※ ABCABC はあなたのユーザー名が入ります。
ここにある「JapaneseInput」フォルダを iCloud(あるいはDropboxやGoogle Drive)フォルダに移動します。この作業はドラッグ&ドロップでOK
トラブルがあったときに備え、JapaneseInput をコピーし、JapaneseInput_copy などとして、元の Google フォルダの中にバックアップとして置いておくことをおすすめします。
2. 続いて Mac のターミナルから、iCloud に移動させた「JapaneseInput」フォルダのエイリアス(ショートカットみたいなもの)を作成し、作ったエイリアスを「Google」フォルダに置きます。
※マウス操作だけで作れるエイリアスと、今回利用するシンボリックリンクは似ていますが少し機能が違います。
エイリアスでは狙った動きをしてくれないので注意(私はこれまで知らなかった。)
ターミナルからシンボリックリンクを作成するコマンドは以下のとおり。
アイ エヌ ではなく、エル エヌ であることに注意。
ln -s ディレクトリ名 置き場所
iCloud に移した「JapaneseInput」も、「Library」の中にある。パスは以下の通り。これが上のコマンドの [ディレクトリ名] に入る。
/Users/ABCABC/Library/Mobile Documents/com~apple~CloudDocs/JapaneseInput
Dropboxだと以下の通り
/Users/ABCABC/Dropbox/JapaneseInput
[置き場所] には先程出てきた Google のフォルダの場所が来る。以下のコマンドをターミナルで実行すれば、作業は終了
ln -s /Users/ABCABC/Library/Mobile\ Documents/com\~apple\~CloudDocs/JapaneseInput/ /Users/ABCABC/Library/Application\ Support/Google/
ここで、ターミナルでの作業に慣れていない人はパス名の中に挟まったスペース「 」とチルダ「~」の扱いに気をつけましょう。
ターミナルでは特別な意味を持つ記号が存在しています(メタキャラクタなど)。
チルダはホームフォルダを意味します。またスペースは入力の区切りを意味します。
これにより、フォルダ名に含まれるスペースおよびチルダが予期しない動作を引き起こします。
これを避けるためにバックスラッシュ「\」が上のコマンドには入っています。
バックスラッシュは環境によっては「¥」となります。
オレンジと緑の区切りのスペースは、まさしく区切りとして認識してもらいたいので、バックスラッシュはいりません。
3. 上に書いたようなシンボリックリンクを経由して、きちんと Google 日本語入力は動くでしょうか。動くようであれば、2台目以降の Mac でも同様の設定を行います。このとき 1. の全作業は必要ありません。なぜなら、iCloud 上に辞書のファイルがすでに置かれているはずだからです。もとからあった「JapaneseInput」の名称を「JapaneseInput_copy」などとして名前を空けてあげた後に、2. の作業を行いましょう。
日本語入力ができなくなったら、一旦再起動をしてみましょう。
再起動をしても日本語入力が動かなくなってしまってやめたくなったら、作ったリンクを「/Application\ Support/Google」フォルダから取り除き、作っておいたバックアップファイルの名前を元に戻せば直るはず。
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