筆者の自信を感じる英文記述

論文を書いていると、100%の確証のない事柄を記述する必要が出てきます。

「多分、溶媒と反応して分解した」
「おそらく先行研究と同様の化学種が生成している」 などなど。

may, maybe, perhaps, ... どれを使われることが多いでしょうか。

■英文校閲をしていただいた学びを記しておくと、Discussion中のperhaps, may は、ほぼすべて「most likely」に書き換えられていました。
(使ったことあります?わたしは使ったことありませんでした。)

日本語では、100%の確証がなければ「おそらく」ですが、
英語では、確率が高い順に、
most likely (90%の自信) > probably (80%) >> likely > ||| 50%の壁 |||| > may, maybe, perhaps > possibly (10 %)

のような順の使い分けのようです。
参考: https://www.alc.co.jp/speaking/article/question/120510.html
          http://mizcaeigo.com/possibilities/

全部、「多分」の訳で受験など切り抜けてきましたが、レフェリーやエディタとのやり取りで、この辺の表現の使い分けをハズすと、下手すると一発アウトですね。
指摘を受けて、再び確認する機会ができてよかったです。

■また、Result & Discussion のセクションでの表現は、時制の決まりは厳密にはないとは思います。
しかし校閲後の文章では、結果の解釈についてはすべて現在形にされていました。
「試薬を混ぜた」などの単純な操作は過去形だったが、「この反応は80%の収率でアルコールを与える」という感じで、現在形。
現在形は、「The sun rises in the east (日は東からのぼる)」など、普遍的事実を示す時制です。そのほうが、読者に強くささるということでしょう。
この実験を何回やってもそうなるはずの、普遍的な結果だ!とおもえる自信があれば、現在形で書きましょう。(自信がなければ投稿するな

関連する項目について調べていると、イントロの先行研究についての説明で、時制一つで意味が変わるとのことなので、ないがしろにはできません。
A reported that X is Y. (XはYだと、筆者も思っている)
A reported that X was Y. (XはYだと、筆者も思っていない)

強すぎる表現は、ときに反発を受けますが、へりくだりすぎないことも大事ですね!

英文の校閲はカクタスコミュニケーションズ(Editage)さんにやっていただきました。
とある予算があったので、1 Word 11円のプレミアムなコースでの査読をお願いしましたが、7500 word (20ページちょっとの文+データ)のFull peparが、5日で帰ってきました。
びっしりと変更されており、とても得した気持ちになりました (ハート)。
恒常的に校閲はしてもらいたいけど、その余裕はないなぁ。でも気合入れて投稿するときは、絶対やったほうがいいですね。

また、論文のライティングについては、以下の本が大変参考になりました。
通じる!科学英語論文・ライティングのコツ(尾鍋智子: 大阪大学出版会)


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