英語の発表レベルを上げるための近道

「そんなものはない!」と、偉い方に怒られてしまいそうですが、どうでしょう。

twitterで京都の先生が、もう英語の発表はしなくていいぞ!と、つぶやいてはりました。


 @Dr_Kano さんのtwitterより


Googleは、なんでもすごいですが、音声の自動生成でも技術革新があったようです。
実際に、新しく開発された「Cloud Text-to-Speech」ページにいってみました。

下の画像のように、例文をすでに用意してくれています。
右下の、「SPEAK IT」ボタンを押すと、「私はロボットではありません」認証が出てくるので、チェックしてください。そうすれば、テキストの読み上げを開始してくれます。

どんなもんじゃい!




。。。みなさんもやってみましたか?
はい、私の英語よりは確実に上手です。

文章を打ち込む欄の下に、設定をいじるボタンが色々付いています。
Language から、いろんな言語を選べるのですが、インドアクセントの英語なんかも選べるのが面白い。

Voice Type のタブから、「Basic」と「WaveNet」がえらべるのですが、WaveNetが最近できた技術のようですね。Basicも、けっこうすごいですが、SiriとかGoogle音声のレベルです。
WaveNetのほうが、リエゾン(前後の単語の音声の連結)や、抑揚の付け方が自然です。
もうちょい抑揚、というか表現をつけたら、人間にかなり近いんでは。


文章全体の抑揚、間のとり方に、すこしゆらぎを入れたら、さらに人間っぽくなるのでは。
Googleはそんなことはわかっていて、あえてやっていないのだと思いますが。

ほんとにきれいな英語なの?と思う方もいると思いますが、Languageのタブから、
日本語も選べます。適当な文章を打ち込んで読ませてみたら、どんなもんかわかると思います。
(Voice name で、声を変えられますが、C,E,Fが女性の声でした。ピッチを少し上げると若い感じがして、、なんの情報やねん。)

これに触発をうけました。ということで、


これをうまく使って、発表のレベルをあげませんか?というのがこの記事の趣旨です。

自分の原稿をこれに喋らせれば、英語初学者のお手本としては十分すぎるのではないでしょうか。
”it” とか、”to” が、軽く速く読まれていることに気がついて、
それを真似できるよになれば、リスニング力も大きく向上すると思います。

これで、伝えたいことは半分以上書いたのですが、そもそも「原稿」がダメだとレベルが上がらない。
もう少しだけ、英語発表レベルを上げる方法について考えてみました。


1. 土台となる原稿を探す

できれば、研究室の先輩、あるいは先生の原稿が貰えればもらいましょう。
英語のアクセントだけでなく、文法、さらにはロジックの組み立てが大事です。

優れた発表のフォーマットを土台にすることで、アクセント以外は5割オッケーなものができるのではないかと思います。
できるだけクオリティが高く、かつ内容が自分の研究と近いものをゲットしましょう。

私はかつて恩師に、summary のスライドで、take home messages here, という表現からはいるといいよ、と教えてもらいました。国際学会で使っている発表者をたまに見ます。
こういうのは、いくら頭を捻っても出てくるものではありません。

先生の存在がありがたいのは、自分が「知らない」 かつ 「必要なこと」 を、見通して教えてくれるからですね。
更にいうと、丁寧に発表の指導をしてくれる人が見つかれば、この記事は読まなくていい
指導してくれる方がいたとして、手間を取らせないためにも、以下のプロセスは行ったほうが良いでしょう。


2. 土台となる原稿に自分の言いたいことを乗せていく

頂いた原稿の、流用できる表現は拝借しつつ、自分の言いたいことを英語にしましょう。おそらく、このブログの読者であれば、自分の言いたいことについてとりあえず英作するくらいはできるはず!
でも、意外と三単現であったり、時制、冠詞、ボロボロなもんです。

それをチェックするため、Grammarlyという英文校閲サービスを使ってみてはどうでしょう。

アメリカの大学生も使っているようです。国際基督教大学では、有料アカウントを全学の学生が使えるようにしているみたい。無料版でも、なかなかの有用性だそうです。


3. 表現を検証する

英文法が大丈夫でも、その文章では言いたいことが伝わらないよ、ということもよくあります。
日本語を直訳的に英語にしたときに起こる問題です。
先日も紹介したDeepLをつかって、表現をチェックしてみてはどうでしょう。

https://www.deepl.com/ja/home

自分の英語をここで和訳させてみて、意味がわからなければ、もう一度英作文したほうがよいです。
自動翻訳でも簡単に訳せる文というのは、意味のつながりが明快な文章構造です。
このブログを読んでいるのは、英文童話作家の卵ではなく、理系研究者、技術者の卵だとおもいますので、明快な文章を目指しましょう。


4. 発音の手本を作成する

冒頭に紹介した、google の cloud text-to-speechですね。

https://cloud.google.com/text-to-speech?hl=ja

発表原稿を入れ、任意のアクセント(米、英)で、読ませましょう。
スピードは1.0が、あっちの人が考える"普通"スピードだと思いますが、英語が苦手な意識がある方は、0.8ぐらいから始めるのが良いのではないでしょうか。
何回か聞いて、さらに、一緒に読んで、を繰り返せば、英語のリズムが染み付いて来ると思います。

音声ファイルをダウンロードすれば、何回も聞くことができます。

少しスクリプトを書く必要がありますが。
どうやってダウンロードするかについては、割と丁寧に説明されています。
しかし、まだ私はダウンロードをしてないので、使ってみてはまるところがあるようなら、使い方の説明書を作ってみたいと思います。


5. 良い発表を聞いて、自分の発表にフィードバック

一番良いのは、国際学会に参加することだと思います。
しかし、コストも掛かるし、時間もない!という場合、
TedTalksなどを利用することで、イケてる発表者のノリを習得することができると思います。

オススメ動画をまとめているページのアドレスを張って置きます。
https://www.bunkakeihack.com/entry/2018/01/06/200800

やっぱり、ボディランゲージとか、大きな間があると、ひきつけられますよね。
こればっかりは、google cloud text-to-speech を使っていても習得できない。
純粋に興味深いプレゼンも多いです。



こんなところでしょうか。
ゆとりの時間が取れている人も多いと思うので、是非チャレンジしてみてください!

コメント

このブログの人気の投稿

VNCで見ている画面と自分のマシンの間でのコピー&ペースト

Natural Bond Orbital (NBO) Analysis, 自然軌道解析をやってみる

Lanl2DZの使い方